裏山の瓶。

お花を沢山いただく機会があり、お店にある瓶を総動員させて活けてみました。

その中の一つに、お酒か、化粧品?ともあれ洒落た瓶があったので、

眺めてみると、「ど り こ の」と書かれているのに気がつきました。


おや。


瓶は、一緒に働いてくれているスタッフのコレクションの一つなので、

どこで購入したのか尋ねてみれば、


買ってない。

随分前に、うちの裏山で拾った。

土に埋もれて泥だらけだったのを磨いた、とのこと。


は?

よく拾ったな。


駄目元で、検索してみました。

すると、

おぉ、ウィキペディアに書いてありました。

『どりこのは戦前(昭和5年)に、現在の講談社から発売された清涼飲料水。』

云々。

どうやら、この空ビンのようです。


ざっくりまとめると、こうです。

どりこのは、戦前に、現在の講談社から独占販売された滋養強壮を謳った清涼飲料水で、

その時代に一大ブームを引き起こした。

しかしながら、製造は開発者一人の手に委ねられていたことや、

レシピを一切明らかにしなかったこと、

そして関連書類も全て処分されていることなどから、

「幻の飲み物」。


へぇ。

出版社が昔、清涼飲料水を販売していたなんて、

なんだか色々、すごいですね。

この時代は、珈琲1杯が10銭程度だったのに対し、

どりこのは1円20銭だったようです。

昭和5年といえば、昭和恐慌のど真ん中、

戦争へと時代が向かう状況下で、

安くはない飲み物が、一大ブームとなっていたなんて、

社会で起きていることと、また別に自分の生活があるこの感じ、

なんだか昨今のコロナ禍の状況と似ている部分がありますね。


時代背景と一緒に考えてみれば、

瓶だけで、かなり楽しめました。

いわなかったけど、一緒に働いているきみ、

きみが裏山で拾ったのは、時のかけらや。


しかし、なんでも便利に検索できる世の中だとしても、

なぜ裏山から出てきたのかいえば、

ちょっと謎ですね。






ぐりーんぐらす

白石市郊外にある喫茶室です。 4号線沿いにあります。 珈琲豆も販売しています。

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